第5回は、編集長が知り合いの方から紹介された、めっちゃ面白い人!ということで、Teach For Japan一期生で、現在小学校の教師をされながら、リーダシッププロジェクトの責任者をしていらっしゃる辻貴之さんを取材してきました!

辻 貴之(つじたかゆき)
※Teach For Japanとは
Teach For allの日本支部。Teach For allは、様々な理由により満足に勉強ができない子供がいる場所に、思いを持ち、志が高い優秀な人材を教員として2年間派遣し、毎日子供たちと向き合い、子供たちの学習環境を変えていくという活動をしています。

※リーダーシッププロジェクトとは
オンラインのサービスを使って、他の国の学生とコミュニケーションをとれるサービス。言葉の不安を減らすために、各国から一人スタッフが配置されている。
そして、今回はガクセイ5.0のメンバー、蔦野克道が取材してきました。記念すべきインタビュアーデビュー回ということです!
〈聞き手:蔦野克己(ガクセイ5.0メンバー)〉
〈天の声:有馬拓希(ガクセイ5.0メディア編集長)〉
〈記事:佐藤夢子(ガクセイ5.0メンバー)〉
体育会系!辻さんの学生時代
小中学校時代

本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

まず、辻さんは小中学校とかはどんな感じでしたか?

結構ダークな感じでしたね。

人見知りとかそんな感じですか?

そうですね、人見知りもそうですし、人とコミュニケーションをとるのがあんまり上手じゃなかったんで、どっちかっていうと一人で黙々とやってるみたいな。

そういったのをどんどん克服されてきたんですかね?

克服っていうのもそうなんですけど、自分のやりたいことを通して、人とコミュニケーションとる機会が増えてきたっていう感じです。

昔のそういう経験があったからこそ、自分に似たような人たちを救いたいみたいな思いとかは、辻さんの中であったんですか?

はじめはそうでしたね。自分みたいに、将来に困ってるとか、学校でうまくいってない子たちに、自分がこうだったらいいなというものを提供したいというのは最初はありました。
大学時代

大学時代はどのように過ごされてましたか?

ざっくりいうと、二つ活動をしていました。実は大学受験に失敗しちゃって。大学に入る前に、3年間スポーツクラブでインストラクターをしてました。

格闘技エクササイズとか、ダンスするみたいな感じです(笑)

え!(笑)
それで、大学はそういったスポーツに関係するところに行かれたんですか?

そうですね。スポーツ系の大学に進学して。
スポーツ選手が能力を高める方法を学習するのを通して、人々の健康に還元する方法がないか、ということをみんなで勉強していました。

めっちゃいいですね。人々の健康って。

そうですね、筋トレみたいなイメージがあるんですけど、普通の健康を維持するにはどうしたらいいかということを学んでました。

スポーツ選手のことが、一般の人たちの健康につながる、ていうのを始めて聞いたので、すごいいい話聞けたな!と思いました!

もう一つの活動は何でしたか?

もう一つは、後に出てくると思うんですけど、Teach For JapanというNPOで、学生ボランティアとして活動に参加してました。

そうなんですね。
大学時代に特に印象に残っている経験とかはありますか?例えば留学とか…

子供に関わる活動をしていて、夏休みとか冬休みに一緒にキャンプに行くんですけど、その活動の仲間と、4人で24時間で100キロ歩くっていうイベントを…

24時間⁉

なんか、やばいですね…。マラソンでも42.195キロって考えると、その倍を24時間かけて…。

いやそうですよね、はじめはすごい距離だなと思いました。

他県に行ったりするんですか?

その活動は、東京都内をぐるっと回るという感じでした。

おー東京!僕東京あまり詳しくなくて、、、環状線とか…?

山手線だと思う…(笑)山手線だと思うよ…(笑)

(笑)

あ、失礼しました…。(笑)

いえいえ、でも、そうですね、イメージとしてはぐるっと通れるところを回るっていう感じですね。

それで食べ物とかもいろいろ回れそうですよね。

あ、そうか(笑)そのときはもう必死だったんですけど、いろんなところ回りながら、景色とかも変わるので面白かったです。
辻さんのターニングポイント
大学受験での失敗

辻さんにとってのターニングポイントや、教育に関わり始めたきっかけは何ですか?

大学受験に失敗した時です。もともと私の家系的に父が医者だったんです。
姉と兄がいて、その二人も医者ってなってくると、医者にならなきゃみたいな。

ありますね、めっちゃ分かります。

そのときに、自分の将来を考える時間ができて。自分の人生を職業で縛ってるっていうのはあんまりよくないんじゃないかなと思って、子供と関わり始めたのが、きっかけでしたね。

そうなんですね。普通に一つの職業に就くのではなく、子供とのかかわりで視野を広めていったということですかね。

そうですね、もっと自分自身もいろんな生き方があると思っていて、もうちょっといろんな職業を経験して、生き方を考えたほうがよかったなとも思い、変わり始めました。
やっぱり合ってる合ってないとか、やりたいやりたくないあるじゃないですか。
尊敬する方との出会い

そのあとに、もっと教育についてどんどん関わっていくきっかけはありますか?

さきほどお話したキャンプに行ったときです。
プロジェクトのリーダーだった私の尊敬する方が、もっと自由に、皆のやりたいようにやるっていう時間がとても大切だと思うっていうのをおっしゃってて。
結構今までは自分は算数勉強して、数学勉強して、英語勉強して…。それを頑張ってテストいい点を取るみたいなのが自分の常識だったんです。

はい。

でも、そのキャンプで子供が顔に泥を塗りだして。

あーはいw

楽しかったんですけど、衝撃で。

あーそうなんですね。

そういう、自分のやりたいことをやる経験っていいなと思いました。
尊敬する方の名前は、ぽてさんという名前なんですけど。

ぽて…?ぽてさんという名前なんですか?

キャンプのあだ名みたいなものです。

いいですね、そういう温かい名前あって

尊敬する方にそこで出会えたのは、すごい幸運でした。

ぽてさんがプロジェクトリーダーをされてたみたいに、その時くらいから最終的にリーダーになりたいみたいなのが芽生えていたんですか?

そういう方の行動を見て、楽しいなっていうのはあったかなと思いますね。
ただ、リーダーになるぞみたいなのは、そのときはあまり意識してなかったですね。

そういう方との出会いが、今に繋がってきているんですね。

そうですね、そういう方に教えていただいたり、今回も編集長の有馬君にに声かけていただいたみたいに、新しい取り組みをするっていうことにパワーを感じるので、自分もこうやってみたいなという思いは強くなっていきました。

本当にすごく良いことですね。すごい共感します。
Teach For Japanでの経験
Teach For Japanとの出会い

ここでようやく。
辻さんはTeach For Japanの1期生との事ですが、関わるきっかけって何だったんですか?

自分の知らない教育のカタチを見てみたくて。本当に偶然検索して見つけた、みたいな。

あーwebを検索して偶然、あ、あったみたいな感じですか?

お、なんか募集してる、って思って。

めっちゃ運命ですね。
どんな風に調べたんですか?

自分の知らない教育のテーマを入れている中で。教育 課題 みたいな感じだったと思います。
東京から奈良へ

その経験を通す中で、苦労したこととか、自分が変わった経験はありますか?

夏休みにプログラムを通して奈良県のほうで学習の指導をさせてもらうという経験がありました。
その時は中学生の子たち相手だったんですけど、いろんな事情で勉強に前向きになりにくくて、確か中3で、アルファベットもまだ苦手、みたいな生徒たちと学習を通して成長を感じたというのが、すごい大きな経験でした。

それで、生徒の意欲がだんだん沸いてきたりしたら、めちゃくちゃ感動しますよね。

そうですね、今まで小学生と関わる機会が多かったので、最初めっちゃおっきい生徒が下向いて座ってて、大丈夫かなって思ったんですけど、最後のほうはほんと楽しく一緒に授業受けてくれて、ありがたかったですね。

めちゃくちゃいい経験されてますね。奈良県にある中学校での経験ということですね。

東京から離れたってのも大きくて。
関西の方のあったかい雰囲気を、そこで感じました。

それは嬉しいですね関西人の一人として。

スーパー行ったら隣のおばちゃんがすぐ、あんた東京もんやろということで。

あー。

こうやって持つとええねんみたいなこと言ってくれて、

すごい分かります。いいですね。そういうエピソード。
やりがい

さっきのお話もそうだと思うんですけど、そのプログラムを通すなかで、特にやりがいを感じたエピソードってありますか?

さっきのに加えて、もちろん自分で考えてやってみた結果すごい伸びたり、笑顔になってくれたらうれしいじゃないですか

はい、間違いないですね。

それとともに、同年代の大学生と一緒に活動してて、どうやったらもうちょっと子供の笑顔が増えるかとか、今何が大事かなというのを話し合うのが、すごい自分のためにもなりました。

ほんとにいいですねそれは。
その経験が、今の仕事にどのような形で生きていると感じますか?

そのときは、やりっぱなしじゃなくて、やった結果どうだったみたいなのを、みんなが真剣に話し合う雰囲気もあって。
それを今小学校の教員をしていて、授業に向けた準備と、その結果どうだったかというのを、すごい考える基礎になっています。

本当に様々な経験をされてるんですね。

はい、本当にありがたいです。ここに来るまでにいろいろな経験をさせていただいてて。

本当に、ここに来られたのは関わってくださったたくさんの方々がいらっしゃったからだなとすごい思います。
今の日本の教育について

今の日本の教育について、何か問題意識や思っていることはありますか?

お!なんかすごいそれ新鮮で、逆に皆さんはどうですか?

僕自身一人の大学生、4回生なんですが、4回生になるまで自己分析をする機会ってあまりないと思うんで、それを高校3年生のうちとかから作っていけたらいいなというのは、僕の中では漠然と思っていることです。

僕教育で思うことがあって、今の教育ってやっぱり受動的になりすぎているんじゃないかなと考えているんですよね。本当に小学生とかがもっと能動的に自らが学びたいことを学べる環境ってないのかな、ていう風に考えています。

あーそうですね。有馬君の話と似たようなこと私もを思っていて、算数とか国語とか決まっているのはその通りにする必要があるんですけど、そういう外部のNPOの団体とか増えてきてるなという印象はありますね。

そうですよね!!
実際の今の日本の教育に対して、こうだったらいいなというのはありますか?

その1つに、今天の声さんがおっしゃっていたみたいに、自分で考えて、それを達成するためにはどうしたらいいかっていうプロセスをもっと何回もできることがあります。長野にISAKという寮制の高校があると思うんですけど、ご存じですか?

名前は聞いたことあります。

そこの学校が、リーダーシップを育てるためにはこういうものを提供したほうがいいっていう、あるべき像から必要なものを提供しているっていうのは、すごい理想的だなとおもいます。

あるべき像とか、なりたい姿とか、そういうお子さんの何よりも自分がこうなりたいとか、あれをやってみたいとかをどんどん尊重していく教育ってことですよね

そうですね。さっきおっしゃってた自己分析も、授業でもっと自分がこういうところが得意で、こういう能力を伸ばしたほうがいい、とかあったらいいですよね。

ですよね。しかも、先ほどおっしゃっていたみたいに、自分で考えてどうやるかを決めて、たくさん挑戦して成功体験が積み重なることで、自信がついてまた挑戦していけるっていうサイクルがあるんじゃないかなって。

繰り返してるうちにどんどん成長していけるみたいな。

そうですよね。受動的に言われたことをこなすだけだったら自信の付きようが全然違うと思うんで、自分の頭で考えたことをアウトプットできるっていう環境ってすごい大事だなと、本当に改めて感じました。
教師としての意気込み

教師として、児童や学校と関わっていくうえで、意気込みなどありますか?Teach For Japanでの経験を通して。

すごい理想的に言うと、その子のやりたいな、得意だなっていうことを中心に、関わっていったり、支援をしたりしたいと思っています。
でも、現実は私が想像できていない家庭の環境など、色々な事情もあるので実現はできてないんですが、サポートしていきたいなと思っています。

できる範囲で精一杯みたいな感じですかね。

そうですね、もう、頑張る。

頑張る。とにかく頑張る。(笑)

それは、すごい毎日思ってます。
リーダシッププロジェクトについて

で、やっとでてくるんですけど、
リーダシッププロジェクトに来てくれる方々ってどんな感じの方々なんですか?

感染症の影響でちょうど留学が止まっちゃったり、募集が中止にになっちゃったりっていう方が多く関わって下さってます。

そうですよね、結構中止されてたりとか、周りで帰ってきたとかもよく聞きます。

行く準備もしてたのに、とか

そういう人たちが何か学びたいときに学べるところがあるとすごいいいですよね。関われるところとか。

そういうところになっていけるといいなと思ってます。

始めるきっかけとかありますか?

私も留学したいなという思いはあって、行ったときにただ行くだけじゃなくて、もっといろんな話をしたりとか、知識を得たいなって思ったときに、もうちょっと海外の方と、今触れ合える機会ないかなと思って、はじめました。

めちゃくちゃいいですね。その、日本にいながらオンラインで繋がれるってのが、実際にその考えにマッチしてますし。

リーダシッププログラムを広めていくうえでの意気込みとか、どのような人に価値を届けたいとかはありますか?

日本の文化とかになかなか触れることができないとか、英語って苦手だからちょっと行けないなみたいな子に、提供したいなって思ってます。
日本の学生とせっかく触れ合うので、向こうの国の方にも色々な文化があるっていうことだったり、考え方を変えるきっかけになっていったらいいなと思ってます。

すごいいいですね。僕、日本の学生が海外を知るためのものだと思ってたんですけど、海外の方も日本の文化に触れられるっていう、そこの側面もすごい大事だなって思いました。

結構、遠い国からすると、日本って漫画、アニメ、富士山とすごい象徴的なんですけど、それ以上のものを発信していけると、アジアの中でも日本ってこういう国だよ、って思ってくださる方増えるのかなと。

そうですよね。表面的なところだけじゃなく、人柄とか、人の温かみとか、わびさびとかのレベルまで。

日本人というのに親しんでもらうのも、すごいいい経験かなと思ってます。

本当にすごくいいプログラムで、自分も関わりたいなと思いました!

ぜひ、よろしくお願いします!
教育に興味のある若者に伝えたいこと

教育に興味のある若者に伝えたいことなどで、一言メッセージお願いします。

チャレンジをすることはすごい大事だなって思っています。
色々なバックグラウンドもあるし、知らない世界を知るっていうことの一歩でもあるし、そういうことをすると繋がれる人も増えるので、チャレンジは大事かなって思ってます。

僕も本当にそう思います。これを見ていただいて、どんどんチャレンジする人が増えていったら本当にいいなとすごい思います。

私も、もっとチャレンジできるように頑張ります。

すごく期待してます!(笑)

ありがとうございます!
あとがき
いかがだったでしょうか!
辻さんも蔦野さんも、いろいろな経験をする中で、本当にいろいろな人と出会って、ここに辿り着いたんですね。
どちらかというと、私は学校では人に話しかけることがあんまり得意じゃないし(用事がなきゃ話しかけられないタイプです…。)、人との出会いも何となく避けてきたような…。
でも、今のように自分の気持ちに素直になって、自分のやりたいこと、好きなことを発信して、ちょっと一歩を出して話しかけたり、行動してみたりして、こんなに面白い人たちが、世の中にはめっちゃくちゃたくさんいるんだ…!と最近毎日がワクワクしてます。
自分の好きな記事をかくということを通して、ガクセイ5.0のメンバーや辻さんとも繋がることができたのは、本当に素敵なことだなと改めて感じました。
好きなこと、やりたいことが尊重される、そしてそのために必要な勉強をサポートしてもらえる。そんな学校があったら、子供たちの夢もめっちゃ広がりますね!素敵な仲間と出会える可能性も上がりそう!
辻さんみたいな先生に教わりたい!と思う編集部一同でした!
ガクセイ5.0では、これからも、そんな自分のやってみたい気持ちにちょっと素直になれそう!挑戦してみようかな!という素敵な気持ちに皆さんがなれることを目指して、素敵な方々のお話をじゃんじゃんインタビューさせていただきます!
辻さんのおっしゃていた理想の学校のような、応援してくれる人、仲間のいるコミュニティ、居る心地の良いところはきっと、今も、誰にでもどこかにあります!
ガクセイ5.0で世界旅行をしながら、そんなところをぜひ見つけ出して、挑戦の一歩が踏み出せることを願っています!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
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